ファンクラブに入るほど誰かを「推し」たことはありません。私は何かに情熱を注げる人を尊敬しますし、憧れます。何でもいいので、他人よりも語れるものを持っている人の目というのはいつも輝いているように思います。
私の場合は、お笑いがそれにあたるのかもしれません。しかし、特定の誰かを推しているわけではなく、お笑いを観ることが好きなだけです。音楽もそうかもしれません。好きなグループはあるものの、ライブに行ったことがありません。
ファン活動と呼ばれるものに1歩踏み込めないでいます。おそらく踏み込むと抜け出せなくなるかもしれません。
今回は、そんな推し活をテーマにした芥川賞受賞作品を紹介します。
タイトル:推し、燃ゆ
著者:宇佐美りん
推しが燃えた。ファンを殴ったらしい――。第164回芥川賞受賞、世代も国境も超えた大ベストセラー、待望の文庫化! 解説=金原ひとみ
出典:Amazon
評価:★★★★☆
レビュー:
「2021年で一番売れた小説」と言われると買わざるを得ません。と言いますか、この本実は私の知人で自称アイドルオタクの方に勧められて購入しました。
Amazonの書籍紹介の短さから分かるように、謎の多い内容でした。
ざっくりとしたストーリーは、あるアイドルのファン活動をする女性が主人公。そのアイドルがファンを殴ったというニュースが出て、炎上します。
自分が推しているアイドルが炎上した時、応援を続けるのか或いは推すことを止めてしまうのか。という帰路に立たされた時、ファンとしてどういった心理が働きどういった行動に出るのか。
また、推しが引退した時に、推しを続けられるのか。
ファン心理を小説に落とした作品だったということで読んでみたんですが、私は上述の通りファン活動の経験が乏しく、なかなか理解が追いつかない内容でした。しかし、アイドルの活躍劇のような作品が多い中、ファンの視点で物語が進むものが珍しく新鮮に読めました。
また、一貫してファン視点で話が進むため、謎とされてきたファンを殴ったという真相もそういった視点で考察が進んでいきます。
推し活の経験がある方、ファン心理を覗いてみたい方にお勧めです。
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