自分の記憶で最も古いものはなんでしょうか。
私は幼少期にデパート屋上のミニ遊園地でクレーンゲームをした記憶です。そのデパート地下で買い物している母親を探し、100円をもらい屋上に上がり、クレーンゲームを失敗しては母親の下に向かうことを繰り返していました。
母親が「いったい何をしているの」と買い物も終わりに差し掛かっていた母親は私と一緒に屋上のミニ遊園地にきました。私が数百円使っても取れなかったクレーンゲームを説明すると、なんと1回でウルトラマンのソフト人形を取ってくれました。母親も驚いていました。
これは私の記憶の中で最も古い印象的な記憶です。
本日はそんな記憶にまつわる本を紹介します。
タイトル:博士の愛した数式
著者:小川洋子
[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。
出典:Amazon
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評価:★★★★★
レビュー:
とある家に家政婦として雇われた「私」はその家に住む「博士」に出会います。
この博士は記憶が80分しかもちません。
80分経つと80分前の記憶を忘れることになります。家政婦の私は毎日「初めまして」から会話が始まります。
そこに、私の息子である10歳の少年が博士の家に訪れます。博士は数学の博士で、少年に算数を教えたり、おじいちゃんと孫のように話をします。しかし、80分経つと全て忘れてしまいます。
こんな不思議な家の物語。ほのぼのとした会話の中に、80分しか続かない記憶力の儚さ、寂しさが感じられます。
やさしさに満ち溢れた気持ちになれます。
ほんわかしたい方、80分の記憶の中で生きる博士に興味がある方にお勧めです。
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