霊的なものを信じるかと聞かれると
「信じたくない」
という答えにならない答えを出してしまいますが、死神は有りうると思ってしまいます。
ドッペルゲンガーと呼ばれる自分とそっくりな人が存在していて、自分のドッペルゲンガーと会うと死んでしまうという都市伝説があります。全員死んでいるなら、どうしてこの都市伝説が広まったんだという謎もありますが、ドッペルゲンガーは死神だという説もあります。
死期を悟った人にしか見えない世界もあるでしょうし、そうした意味でドッペルゲンガーや死神はいるんじゃないかなという私の妄想です。
ドッペルゲンガーに関する漫画レビューもぜひご覧ください。
今回は、死神に出会ってから死ぬまでを描いた作品を紹介します。
タイトル:死神の精度
著者:伊坂幸太郎
こんな人物が身近に現れたら、彼/彼女は死神かもしれません──(1)CDショップに入りびたり(2)苗字が町や市の名前と同じ(3)会話の受け答えが微妙にずれていて(4)素手で他人に触ろうとしない。1週間の調査の後、死神は対象者の死に「可」「否」の判断を下し、「可」ならば翌8日目に死は実行される。ただし、病死や自殺は除外。まれに死神を感じる人間がいる。──クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う、6つの人生。金城武主演で映画化された原作です!
出典:Amazon
評価:★★★★★
レビュー:
死神と出会う短編集です。
本作に登場する死神は、良くアニメで見かけるような鎌を持った黒いローブを着た骸骨ではなく、普通の男性です。しかし、ちょっと会話が噛み合わなかったり、音楽が異常に好きだったりと一風変わった雰囲気を持っています。
この死神に出会うと8日後に死んでしまいます。
しかし、それは死神の審査結果により変化します。
死神とともに1週間過ごし、その評価が「可」なら死が決まり、「否」なら生き残りが決定します。
死神を接待し、好きになってもらえば「可」なのかと言えばそうではなく、死神自身の評価基準があるようです。
死神に出会った人と死神との話の掛け合いから、想像できないゴールへ物語が向かっていく様子が堪りません。伊坂幸太郎作品のぎりぎりファンタジーな世界観をよく捉えた作品だと思います。
人は8日後に死ぬと告げられたら何をするのか、
果たしてみな「可」となり死んでしまうのか。
伊坂幸太郎作品が好きな方、死神に出会ってみたいと思う方にお勧めです。
また、続編の長編があります。
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