クイズ番組はやっているとついつい見てしまいます。幼少期にはそれほど興味が無く、どちらかというと回答者のリアクションを楽しんでいたように思います。
大人になると、自分の知識を確かめるためについつい自分も答えてしまいます。その延長でYouTubeでクイズノックの動画も見るようになりました。早押しクイズの世界はその問題の答えを知っているだけではなく、ボタンの押し方や相手との駆け引きなどもあるようで、楽しそうだなぁと思いながら見ています。
今日はそんなクイズに関する斬新な小説を紹介します。
タイトル:君のクイズ
著者:小川哲
『Q-1グランプリ』決勝戦。クイズプレーヤー三島玲央は、対戦相手・本庄の不可解な正答をいぶかしむ。彼はなぜ正答できたのか? 真相解明のため彼について調べ決勝を1問ずつ振り返る三島は──。一気読み必至! 鬼才の放つ唯一無二のクイズ小説。
出典:Amazon
評価:★★★★★
レビュー:
1000万円をかけて戦われるクイズの大会「Q-1グランプリ」の決勝戦で事件は起こります。
最終問題のアナウンスが入った瞬間、主人公の対戦相手はボタンを押します。「問題」という言葉しか読まれておらず、問題文は全く読まれていません。この状態でボタンを押した対戦相手に対し、主人公は緊張から来るミスだと判断します。
しかし、対戦相手はこの問題に正解し、1000万円を手にします。
これは、果たして事前に問題を知っていた、いわゆるヤラセなのか。これをクイズの世界という視点から暴いていくクイズミステリー小説です。
最初のページで惹きつけられ、もう止まることは有りませんでした。決勝戦で出されたクイズが各章で焦点を当てられ、クイズとともに主人公の行動が描かれます。スピード感があり、結論に自然に導かれていく構成になっています。
考えて犯人が分かる、というタイプのミステリではないので特に考えずに流れに任せて読んでいると楽しくなってきます。
果たしてこれはヤラセなのかどうか。
クイズの世界に興味がある方、ヤラセかどうか真相が知りたい方におすすめです。
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