タイトル買いしてレビューするブログ

某私立大学文系博士課程在籍の本好き。投資ブログとして始めたまま、レビューブログになりました。


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 クリックいただけると励みになります!

違和感ミステリー、『#真相をお話しします』感想レビュー

本屋大賞直木賞は買って損なし、という持論があります。

もちろん、そうだからこそ受賞しているんですが。

 

本屋大賞になってから初めてその本に触れ、「やっぱり本屋大賞に受賞する作品ってすごいな」と思います。が、ふと「この本を見出した本屋の人たちもすごい」という考えが浮かびました。

 

世に出る前にその良さに気づく人たちは、どうやってその本を購入したんでしょうか。やはりある程度出版社が発売前から売れそうな本に目星をつけて本屋に紹介するんでしょうか。

 

前置きが長くなりましたが2023年本屋大賞にノミネートされた本を紹介します。

 

タイトル:#真相をお話しします

著者:結城真一郎

 

出典:Amazon

家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて……(「惨者面談」)。不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。しかしそこへ「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る別の〈娘〉が現れたことから予想外の真実が明らかになる(「パンドラ」)。子供が4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとびとがやけによそよそしくなっていって……(「#拡散希望」)など、昨年「#拡散希望」が第74回日本推理作家協会賞を受賞。そして今年、第22回本格ミステリ大賞にノミネートされるなど、いま話題沸騰中の著者による、現代日本の〈いま〉とミステリの技巧が見事に融合した珠玉の5篇を収録。

出典:Amazon

 

評価:★★★★☆

 

レビュー:

帯に「でも、何かがおかしい」と書かれているのに惹かれて読みました。

短編ミステリー集です。一つ一つの作品はしっかり完結しますし、それぞれの話に繋がりも全くないので隙間時間に読めます。

表現としては普通です。一般的なミステリーと同じように読み進めるうちに真相が明るみになるというような構成です。しかし、本作品の面白いところは「具体的な事件が明言されないまま話が進む」ことです。

ミステリーとしての事件が何か分からないまま話が進みます。

 

しかし、何か違和感を覚えます。「ははーん。さては、これはこうだな」と読めそうになりますが、上手くありきたりなオチにならないように工夫されています。わざとらしい伏線があり、何かしら「この点が真相に関係するんだろうな」というところまでは予想可能です。ただ、その先の展開は読めず。

 

短編集でサクッと読めて、サクッと面白い気分に浸れます。読み返せばしっかりとヒントは散りばめられています。短編集ですので、全部が全部大当たりという話ではないですが、全て納得のいくゴールでした。
また、丁寧な種明かしもしてくれるため、すっきりします。

 

いわゆるどんでん返しも好きだけど、しっかり推理しながら読んでみたい人におすすめです。ぜひ違和感を読み解いてください。

 

 

 

漫画もあるみたいですね

 

 

ランキング参加中です。よろしくお願いします!