- 1.海外で働く日本語教師とは
- 2.海外で日本語教師になる資格
- 3.日本語教師のお金事情
- 4.日本語教師の仕事量
- 5.日本語教師の仕事内容
- 6.海外日本語教師のメリット
- 7.海外日本語教師のデメリット
- 8.海外で日本語教師を目指すには
1.海外で働く日本語教師とは
日本語教師とは、日本語を母語としない人に日本語を教える仕事です。よく言われるのが「国語教師とどう違うの?」という質問と「じゃあ、英語がぺらぺらなんだね」という感想です。しかし、国語教師の教員免許がなくても、英語がぺらぺらじゃなくても日本語教師にはなれます。以下に海外で働く日本語教師について整理していますので日本語教師、特に海外で働いてみたいという方はチェックしてください。
2.海外で日本語教師になる資格
まず、海外で日本語教師になる資格は2023年現在ありません。では、海外で働くために必要な日本語教師の条件は何か、見ていきましょう。
中国の日本語教師求人には以下の条件を挙げているものが多いです。
- 日本語教育の経験が2年以上
- 日本語教育能力検定試験に合格
- 日本語教育に関連する学部、或いはそれ以上の学歴がある場合は、2年以上の経験を免除
日本語教師について調べている方が見ると、ある疑問が浮かぶと思います。「日本語教師養成講座を受けようと思っていたけれど、それはどこに入るのだろう?」という疑問です。中国では、日本語教師養成講座はあまり知られていません。しかし、条件3の「日本語教育に関連する学部」に相当すると考えられる場合もありますので、求人次第では経験も免除されるかもしれません。
また、「条件に合うものが望ましい」とされている求人も多いため、条件に合わなくてもとにかく応募してみるとタイミングが良ければ職に就くことも可能です。
3.日本語教師のお金事情
日本語教師というと全く儲からないことで有名です。教師全般に言えることですが、非常勤の場合給与が発生するのは授業時間のみとしているところが多く、授業準備や宿題の答え合わせなどは給与が発生しないところがほとんどです。常に授業があるということでもないので、職員室が与えられる立場であれば空き時間に準備することは可能ですが、拘束時間を考えるとそれほど高給な仕事ではありません。
中国の求人にはよく給与が載せられているので、それを例にすると以下のようになります。
学士 7000元(約14万円~)
修士 8000元(約16万円~)
博士 9000元(約18万円~)
上述のように、学歴で給料が違うことが多いです。現地の教師に比べてもそれほど高いわけでもありません。むしろ、現地の教師は保険や福利厚生がしっかりしているので、ステータスは高いかもしれません。
海外の日本語教師の良いところは給与以外のところにあります。
基本的に日本語教師に対して、寮を提供するという求人が多いです。つまり、家賃がかかりません。そのため、もらった給料はそのまま自分の懐に入ります。また、食事も食堂で安く食べられますし、アジア圏であれば日本よりも物価が安く、日本で同額の給料をもらうと考えた時、圧倒的に海外日本語教師の方が貯金ができます。
4.日本語教師の仕事量
日本語教師の仕事量はもちろん求人によってばらばらです。しかし、平均的に週14コマ程度となっています。1コマ45分としているところが多いので、実働は週に約10時間程度です。
これだけ聞くと、週に10時間働くだけでこれだけの給料がもらえるなら文句はない、となるかもしれません。しかし、先にも述べましたが、日本語教師の仕事は授業をするだけではありません。
5.日本語教師の仕事内容
海外の日本語教師の仕事は主に4つあります。
- 授業
- 日本語コーナー
- 授業準備
- イベント参加
主な仕事はもちろん授業があります。海外の日本語教師と日本の日本語教師の仕事場の大きな違いは、学習者の母語が統一されているかどうかという点と、学習者は授業中でしか日本語の世界にいないという点が挙げられます。その点を意識して授業を行えると良いと思います。
また、日本語の世界ということに関して、日本語を使った触れ合いコーナーを求める教育機関も多くあります。放課後に1時間取って日本文化を楽しむイベントを開いたり、日本語カフェと銘打って日本語だけを使う時間を設けたりと人それぞれです。家に学習者を呼んで日本料理教室を開くこともあります。これらは厳密に言うと業務内容に入っていないことが多いですが、せっかく海外で日本語教師をするんでしたら日本語が好きな学習者たちとわいわいするのは良い機会かもしれません。
また、授業準備は先に述べた通りですが、イベント参加というものも日本の日本語教師とは少し違った業務内容です。もちろん、プライベートと仕事は分けると言って参加しない人も中にはいますが、学校の運動会や修学旅行などに参加を促されることもあります。海外の日本語教師は半分客人扱いですが、半分学校教師として様々なイベントに呼ばれます。ただ、細かい準備などをお願いされることはないので、楽しく参加できることがほとんどです。
6.海外日本語教師のメリット
海外日本語教師は企業勤めの人が海外支店に転勤すると言った状況に比べると、より現地に溶け込んだ生活ができます。言ってしまえば、現地水準の暮らしができるということです。そのため、学習者と目線も近く、国際交流が好きな方には旅行では経験できない生活が待っています。
あと、海外で日本語教師は重宝されることが多いです。そのため、大事に扱ってもらえます。また、海外勤務という経験はキャリアアップにも繋がります。
7.海外日本語教師のデメリット
デメリットとしては、24時間業務時間という感覚があり、慣れるまでは疲れやすいです。家に帰っても、自分は外国人だという感覚が続きます。この点、中国では見た目から中国人か日本人か見分けが付きづらいので、助かりました。
8.海外で日本語教師を目指すには
海外で日本語教師になるために、最速で以下の順番があります。
- 日本語教育能力検定試験に合格する、または養成講座修了書を得る
- 求人を見つける
- 求人に応募する
順番として挙げると実に簡単に見えますが、海外で日本語教師になるには、運も重要な要素になってきます。日本語教育能力検定試験も必須としているところは少ないので、養成講座修了証明書があれば、求人次第ではすぐに決まるかもしれません。求人はHP上でまとめているサイトがあるので、探してみるとすぐ見つかると思います。都会や給料が他の比べると高い求人にはすぐに人が集まりますが、田舎であったり、給料が少し低めに設定されていたりするところは人が集まりづらいです。そのため、未経験でも魅力があれば選ばれやすいというメリットがあります。
都会よりも田舎の方が日本人が少ないことがあるので、より日本語教師として重宝されることでしょう。
私が日本語教育能力検定試験に合格した際に使用したテキストはこちらです。
養成講座は通いませんでした。
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