ホラー作家はホラー、ミステリ作家はミステリ、SF作家はSF、それぞれ得意なジャンルがあります。そして、プラスαで恋愛小説になったり、感動小説になったりします。
しかし、それらは要素程度で中心となる作家の得意ジャンルは見え隠れしているように思います。
書き方から「あ、この作者だ」と気付けるレベルにはなっていませんが、このジャンルならこの作家というのが固まってきています。
その固定観念を打破するためにタイトル買いを始めたんですが、恩田陸の凄さに打ちのめされています。
恩田陸と知らずに手に取った上記二つは全くジャンルが違います。
今回は、さらに違うジャンルで恩田陸に出会った作品を紹介します。
タイトル:エンドゲーム
著者:恩田陸
『あれ』と呼んでいる謎の存在と闘い続けてきた拝島時子。『裏返さ』なければ、『裏返され』てしまう。『遠目』『つむじ足』など特殊な能力をもつ常野一族の中でも最強といわれた父は、遠い昔に失踪した。そして今、母が倒れた。ひとり残された時子は、絶縁していた一族と接触する。親切な言葉をかける老婦人は味方なのか? 『洗濯屋』と呼ばれる男の正体は? 緊迫感溢れる常野物語シリーズ第3弾。
出典:Amazon
評価:★★★☆☆
レビュー:
夏のホラーコーナーというところで見つけて手に取った本です。恩田陸でホラー?と思って読み始めましたが、実はホラーでも有名な作家だったんですね。無知がばれました。
いずれのジャンルでも賞を受賞している、本当に多才な作家さんです。
作品の内容は、「あれ」に「裏返された」母親を救うために不思議な力を使う女子大生の話。終始「あれ」で話が進み、「裏返す」という言葉も登場人物全員が当たり前に使っている不思議な世界観です。
それはどんな力かと言うと主人公にもよくわかっておらず、じっくり読んで確かめてくださいと言うしかありません。
ファンタジーの世界観ですので、言ってしまえば「なんでもあり」な世界になっています。また、何も知らず手に取ったが故の過ちですが、シリーズ物の最終巻だったようで、ストーリーがあまり頭に入ってきませんでした。
しかし、後書きには「シリーズ物ですが、この本から読み始めた人でも楽しめる作品になっている」と書かれていました。恩田陸という作家が好きということもあって、ゆっくり読んでいたんですが、やはりファンタジーは慣れないなと再確認させられる本でした。
「あれ」とは何なのか、「あれ」に「裏返される」とはどういう状態なのか。
気になる方は読んでみてください。
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