タイトル買いしてレビューするブログ

某私立大学文系博士課程在籍の本好き。投資ブログとして始めたまま、レビューブログになりました。


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『鹿の王2』上橋 菜穂子、レビュー

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謎の病で全滅した岩塩鉱を訪れた若き天才医術師ホッサル。遺体の状況から、二百五十年前に自らの故国を滅ぼした伝説の疫病“黒狼熱(ミッツァル)”であることに気づく。征服民には致命的なのに、先住民であるアカファの民は罹らぬ、この謎の病は、神が侵略者に下した天罰だという噂が流れ始める。古き疫病は、何故甦ったのか――。治療法が見つからぬ中、ホッサルは黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人がいると知り……!? 解説:夏川草介

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また、なぜ2冊目からのレビューなのかと言うと、1巻目は昔に読んでいて記録として残っていなかったからです。

 

作家紹介を読んでいると、文化人類学専攻とのことでした。なるほどなと感じるような表現が垣間見られる作品でした。

 

私は数ある賞の中で信頼している賞の一つに「本屋大賞」があります。本屋さんが売りたい本を投票し、最も票を得た本に送られる賞で、本作の1巻目が第12回本屋大賞を受賞しています。本屋大賞受賞作品は全部読むようにしています。

 

ファンタジーに数えられる本で、ミステリー好きの私はなかなか手を出してこなかったジャンルに当たります。非現実すぎると世界観に入り込めないからです。幼い頃は宮部みゆきの『ブレイブストーリー』が好きでしたが、大人になると魔法の類が苦手になりました。

 

しかし、本作で描かれる世界観は現実世界に似た非現実で、作者自身が緻密に作り上げた別世界ということです。自分だけの世界を作り上げるとなると自分だけのルール(法律)から何から勝手に作ることが許されるので読者が置いてきぼりになることが多いんですが、この世界観はすんなりと受け入れられました。「時代さえ現代ではないが、世界のどこかで実際にあった話」のように思えてきます。

 

今でこそ新型コロナウイルスが流行したことで、感染症というワードは広く普及しましたが、本作はその感染症を扱った話です。未知なる感染症に対して、現代のような医術が発達していない世界でどのように対応するのか、ということが描かれています。

非常に読みやすいファンタジー作品でした。

 

長編アニメ映画になっていたんですね。知りませんでした。一度見てみたいと思います。